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トランジスタをコレクタ接地で使う

4 桁 7 セグメント LED のデジット制御をおこなうために論理 IC で作っていた 2 to 4 ラインデコーダ部分ですが、注文してあったラインデコーダ TC74HCT139 が届きましたので置き換えることにしましょう。

……が、あれ?このままじゃうまく動きませんがな (^_^;)

TC74HCT139 の仕様に合わせて回路を変更する必要があります

ラインデコーダ TC74HCT139 の真理値表です。

問題は、俺が作っていたラインデコーダと出力の HIGH 、LOW が逆転しているってことです。

単純に考えれば、トランジスタを 1 段増やして HIGH 、LOW をひっくり返してやれば良し。でもそれじゃパーツが増えちゃいます。インバータを使うとしても IC の数が増えてしまいます。
ならばデジットを直接ラインデコーダに突っ込んじゃえば? ん〜、最大出力電流は ±25mA なので無理です。デジット電流は 117mA ですから。

あ、そうか、非反転のトランジスタアレイとか使えばいいじゃん。
じつはジャンク箱に TD62308B なんてのがありました。これ「 4ch ローアクティブダーリントンシンクドライバ」というやつで、秋月電子通商でも手に入ります。ちょっと高いけど。ローアクティブなので、入力 LOW でオープンコレクタが ON になります。出力電流は 1.5A と、もったいないくらい大容量。

ということで、トランジスタアレイ TD62308B を使えばオッケーなわけですが、ちょっと芸がない (^_^;)

入力 LOW で出力も LOW になる非反転バッファといえば

トランジスタのエミッタ接地回路では、入力と出力は反転します。ベースに HIGH を入力するとコレクタ出力は LOW です。でも今回は、ベースに LOW を入力したときに出力も LOW になるような非反転の回路を作りたい。

非反転で出力に大きな電流を流せるバッファ回路といえば、そう「コレクタ接地 (エミッタフォロワ) 」ですね。カソードコモンの LED をつなぐのですから、PNP 型トランジスタということになります。

コレクタ接地回路を試してみた

コレクタ接地回路を試してみるために、左図のような回路を作ってみました。

この回路では、押ボタンスイッチを押していないときインバータの出力は HIGH で、LED は消灯しています。スイッチを押すとインバータの出力は LOW になり、LED が点灯します。

エミッタ接地回路にあるようなベース抵抗がありませんが、ベースに大電流が流れて煙が… 、ということはありませんので (^_^;)

インバータ出力が HIGH でベースが 5V のとき、エミッタも 5V ですからベース電流は流れません。ベース電流が流れなければコレクタ電流もエミッタ電流も流れないので、LED は消灯しています。
ちなみに、このときコレクタ・エミッタ間にテスターをあてて電圧を計ると 3.5V ほどを表示します。これはテスターを通してわずかな電流が流れてしまい、LED で 1.5V 電圧降下するためです。電源ラインとエミッタ間の電圧を計ると 0V となりますので、エミッタが 5V であると考えることができます。

インバータ出力が LOW でベースが 0V になったとき、エミッタからベースへ電流が流れるので、コレクタにも電流が流れ、LED が点灯します。ベース電圧が 0V になるとエミッタの電圧は 0.7V になります。これはベース・エミッタ間電圧が 0.7V だからです。
このとき、ベースに流れる電流はコレクタ電流の hFE 分の 1 です。実測した値では 89μA でした。エミッタ電流の実測値は 12.5mA でしたので、hFE = 12.5 / 0.089 = 140 となります。テスターで測定した hFE は 164 でしたので、ほぼ一致しますね。

コレクタ接地回路でスイッチングするときの問題点

コレクタ接地回路では、エミッタ電圧はつねにベース電圧にベース・エミッタ間電圧 0.7V を加えた値になります。

コレクタ電流が流れないようにするためには、ベースにできるかぎり 5V に近い電圧をかけなければいけません。逆にコレクタに十分な電流を流すには、ベース電圧をできる限り 0V に近づける必要があります。
たとえばベース電圧が 3.0V になっていたとすると、エミッタ電圧は 3.7V 。電源ラインとの電位差は 1.3V ですから、LED に電流が流れてぼんやりと点灯してしまうかもしれません。ベース電圧は前段の出力電圧に依存しますから、たとえば HIGH レベルが 3.0V といった場合はうまく動作しないと思います。

今回は、前段のラインデコーダの出力電圧は十分にあるようなので、この回路を使ってみることにします。

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