アフィリエイト広告
アフィリエイト広告

ソリッドステートリレーの回路

ソリッドステートリレーキットを試してみた」で組み立てた回路を簡単に調べてみましょう。

回路図

秋月電子で購入したソリッドステートリレーキットを利用した AC100V の制御回路です。
交流側の負荷は書いてありませんが、INPUT に AC100V を入力し、OUTPUT に電球などの交流負荷を接続します。

フォトトライアックの入力側

PT1 はフォトトライアック TLP561J です。数 10mA 程度の負荷なら、フォトトライアック単体でも交流制御できますが、まぁ一般的には、メイントライアックのゲート制御に利用しますね。

入力側は発光ダイオードですので、いつもの L チカと同じに考えればよいです。最大電流は 50mA 、トリガ LED 電流は 10mA です。
「トリガ LED 電流」とは、出力側のトライアックがオンするために必要な電流ですので、入力側にはこれ以上の電流を流す必要があります。メーカー推奨値は 20mA となっていますが、結合特性では 5mA 〜 10mA とされています。キットの説明書には「 5mA から安定動作することを確認している」と書かれていて、10mA で動作させる計算になっています。
なお、発光ダイオードの順方向電圧は、電流 10mA のとき 1.15V です。

乾電池 3 本で駆動する場合、電流値は

IF = ( 4.5V - 1.15V ) / 0.33KΩ = 10.2 mA

です。
乾電池の最低電圧を 0.9V とすると、

If = ( 2.7V - 1.15V ) / 0.33KΩ = 4.7 mA

となりますので、ちょっと不足してしまいます。
今回は実験ですので気にしませんが、もし乾電池で駆動するような回路を組むとしたら、抵抗 R2 の値を少し小さくする必要がありそうですね。

フォトトライアックの出力側

入力側にトリガ LED 電流以上の電流を流すと、出力側のトライアックがオンします。
ただし、TLP561J はゼロクロスタイプなので、トライアックに電圧がかかっているときはオンせず、ゼロクロスした (電圧が 0V 付近になった) ときにオンします。そのためメイントライアックもゼロクロスしたときにオンすることになり、いわゆる「ゼロクロス制御」が可能になっています。

ゼロクロスしたときにトライアックがオンして電流が流れ、メイントライアックがオンすれば電流は流れなくなりますから、基本的には電流制限抵抗 R1 は必要ありません。
が、安全のために入れておきましょう。パルスオン電流の推奨値は 1A なので、AC100V のときの電流制限抵抗 R1 は

R1 = 100V / 1A = 100Ω

としておきます。

メイントライアックの定格

メイントライアックについては、電源電圧と負荷電流を考慮すればよいです。BTA24-600CW の最大定格は 800V 25A ですので、十分ですね。
ん? キットの定格負荷電流が 25A ですから余裕がないような気がします。でも大丈夫。瞬間的にはその数倍流しても壊れません。それに、そもそも電灯線 1 回路の最大電流は 15A ですので、25A も流すとブレーカーが落ちますから。
もちろん、15A 流すときはそれ相応の放熱を行わないといけません。

ゲートの波形と出力

メイントライアックの電圧を計測してみました。

入力がオフしているときの T2 – ゲート間の電圧波形です。AC100V がそのまま印加されていて、トライアックがオフしていることがうかがえます。

ちなみに、波形の正サイクル側が +144V あるのに負サイクル側が -85.1V しかなくて正弦波になっていないのは、オシロスコープが安物だからです (^_^;)
このオシロスコープの最大電圧は 50Vpk なので、そのまま測定すると壊れますから、要注意です。必ずプローブのスイッチを x10 側にしておきましょう。そのため測定値の表示は 10 分の 1 になっています。

入力オン時の T2 – ゲート間の電圧波形です。

半サイクル毎にフォトトライアックがオンし、オンしている間は T2 – ゲート間電圧が 0.5V 程度になっていることがわかります。
ゼロクロスでトライアックがオフするので瞬間的にゲート電圧が上がり、次の瞬間フォトトライアックがオンして逆方向のゲート電圧がかかっています。

最後は交流出力の波形です。

オンするタイミングがちゃんとゼロクロスしていますね。
ちなみに、オフするタイミングは必ずゼロクロスです。トライアックは一度オンすると、ゲート電流をなくしてもオンしたままです。オフするのは電圧がゼロになったとき。これはトライアックやサイリスタの基本的な機能です。

トライアックによる交流制御ってなんだか難しく思っちゃいますけど、こうしてみてくると、意外と簡単だと思いません? もちろん AC100V を扱いますので、電気工事士レベルの知識は必要だと思いますけどね。

さて、時間があったら今度は、位相制御による電力調整もやってみたいと考えています。

タイトルとURLをコピーしました