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4-20mA電流信号を作ってみた – 定電流回路 (1)

定電流回路を実験してみたいと思います。

どんなふうにやろうかなと考えているときに、4-20mA (よんにじゅう) というアナログ信号のことを思い出しました。4-20mA とは、計装機器などに使われている伝送用のアナログ電流信号です。詳しくは、いつものように、ググってください m(_ _;)m

今回は、1-5V の電圧信号を入力して 4-20mA の電流信号で伝送し、受信端で再び 1-5V の電圧信号を取り出す、って回路を考えてみようと思います。

なお、定電流回路についてアナログ・デバイセズ株式会社さんのサイトから「初心者のためのOPアンプ」を参考にさせていただきました。ありがとうございます。

オペアンプによる定電流回路

図1 オペアンプによる定電流回路

オペアンプを使った定電流回路は、ググるといろいろでてきます。

それらを参考にして、まず作ってみたのが図 1 の回路。リファレンス (基準) 電圧となる VR1 を回すと、トランジスタ Q1 から受信端の負荷抵抗 R2 へ 4-20mA の電流が流れる、というものです。

パーツは、毎度のように部品箱にあったものばかりです。

OPアンプは、何かの基板から外したグランドセンスオペアンプという代物。PNP 差動入力です。今回は +12V 単電源で動かします。
ツェナーダイオード ZD は 3.3V のものを 2 本つないでいます。オペアンプに入力するリファレンス電圧は 1~5V なので、ツェナーダイオードも 5V 用を使えばいいです。3.3V 用を使っているのは、部品箱にあったから。
毎度々々の 30KΩ のボリューム VR1 も部品箱にあったジャンク品。できればもっと小さい抵抗値にして、電流を増やしたほうが良いかもです。
トランジスタ Q1 は汎用の 2SA1015 。ベース電流をできるだけ小さくするために hFE の大きい GR が良いです。FET 使えばいいじゃん。部品箱に、ないです (^_^;)

回路の説明

ツェナーダイオードの両端電圧 6.6V をボリュームで分圧して、(だいたい) 1-5V のリファレンス電圧を出しています。ただし、このリファレンス電圧は R1 の両端電圧ですので、対接地電位は 11-7V となります。
それをオペアンプの Vin+ に入力。Vin- の電位は Vin+ と同じになりますから、トランジスタ Q1 のエミッタも同じ電位です。

したがって、エミッタ電流 IE は、リファレンス電圧を Vref とすると、

IE = Vref / R1

です。回路は、この電流 IE が常に一定になるように動き、定電流を発生させます。

電流値 4mA のとき

図2 出力 4mA のときの各部電圧

電流値が 4mA のときの各部の電圧は、図 2 のようになります。なりま… あ、せん。

リファレンス電圧が 1V のとき、オペアンプの入力電圧は 11V になります。
が、このオペアンプの同相入力電圧は Vcc-1.5V 、つまり 10.5V ですので、これを超えてしまっています。これでは正常な動作は望めません。

図3 同相入力電圧を下げる

そこで図 3 のように、電源と R1 の間にダイオードを入れて、同相入力電圧を下げるようにします。

オペアンプの同相入力電圧は、ダイオードによる電圧降下 1.4V を差し引いた 9.6V になり、安定した動作が期待できるようになりました。

電流値 20mA のとき

図4 出力 20mA のときの各部電圧

ダイオードを追加した回路で、電流値が 20mA のときの各部の電圧は、図 4 のようになります。はずです。

実際には、トランジスタのベース電流だのオペアンプのバイアス電流だのが流れるので、誤差がでます。抵抗値の誤差もあります。
無視して下さい (^_^;)

コンプライアンス電圧

ここで注意しておかなければならないのは、トランジスタ Q1 のコレクタ側の電圧です。
コレクタに負荷を接続し電流を流すことで得られる電圧の最大値を、コンプライアンス (準拠) 電圧といいます。

出力電流が 20mA のときのコレクタ電圧を考えてみましょう。

電源電圧 12V から、ダイオードによる電圧降下 1.4V 、リファレンス電圧 5V 、エミッタコレクタ間電圧 0.1V を差し引いた 5.5V が、コレクタ側に出せる最大電圧になります。これがコンプライアンス電圧です。
ここに 20mA 流れるので、接続できる最大の負荷抵抗は 275Ω 。受信端の抵抗が 250Ω であれば、伝送路の線路抵抗は 25Ω 以内が許容できます。
逆に言えば、コンプライアンス電圧として 5.5V を出力しようとすると、電源電圧は、コンプライアンス電圧にエミッタコレクタ間電圧 0.1V とリファレンス電圧 5V 、ダイオードの電圧降下 1.4V を加えた 12V 以上が必要になるってことです。

なお、出力電流 4mA のときのコンプライアンス電圧は 9.5V です。負荷抵抗を 275Ω とするとコレクタ電圧は 1.1V なので、問題はないですね。

リファレンス電圧の扱い

さて、基本の回路はできましたが、リファレンス電圧が対接地電圧で 9.6-5.6V となっているので、ちょっと扱いが面倒です。通常、前段の出力電圧は対接地電圧で 1-5V でしょうから、変換しておく必要があります。

次回は、リファレンス電圧を 1-5V とするための変換回路を追加してみましょう。

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