アフィリエイト広告

タイマIC NE555 を使ったダイソーのテープライト用調光回路

写真 1. 電気スタンド外観 (改造後)
写真 2. ダイソー テープライト

古い電気スタンドです。ツイン 2 パラレルという 4 本の管をつなげた形の蛍光ランプを使っていましたが、蛍光ランプを破損してしまいました。

でまぁいまさら蛍光灯ってねぇ、ってことで廃棄しようと思ったんですけど、LED 付けたらどうなるかなぁと、ちょっと改造してみました。
写真 1 は改造後なので輝度調整のツマミがついていますが、それ以外の外観にほぼ変化はないです。写真ではわかりにくいのですが、スイッチもそのまま利用しています。

できるだけ手持ちの部品を使って安くあげましょう。LED はダイソーのテープライト 330 円 (写真 2) を使います。

しかし、結果を先に書きますが、このテープライトでは暗くてデスクライトとしては使い物になりませんでした。色もホワイトを選んだのですが、青みが強くていけません。

改めて仕様の明るさを確かめると、66lm (ルーメン) となっていました。デスクライトは 300lm 以上必要らしいので、まったく足らないですね。購入時に点灯してみたときは、かなり明るいし色もいい感じだと思ったんですけどねぇ。直接見た感じとデスクを照らすということは違うのです。

デスクライトとしてはダメでしたが、調光回路を作ったので記録しておこうと思います。

電気スタンドを LED ライトに改造

写真 3. USB 電源アダプタ基板

改造内容を簡単に書いておきましょう。

写真 3 は USB 電源アダプタの基板です。ジャンク箱にあったのだけど、なぜかケースから取り出されてました。何かに使おうと思ったのかなぁ。
AC 100V を入力すると DC5V (2.4A) が出力されるので、これを電源回路に使います。

写真 4. LED テープライト超高回路基板

写真 4 は、LED テープライトの調光回路基板です。タイマ IC NE555 を使った PWM 制御回路で、ボリュームでデューティ比を調整するごく一般的な回路です。
テープライトの電流は 415mA ですので、出力に 2SC2120 (30V 0.8A) を使っています。NE555 などすべて部品箱にあったものばかりですが、小型ボリュームとツマミは秋月電子通商から購入しました。

写真 5. 基台内部の配置

電源回路と調光回路の基板を電気スタンドの基台内部に収納しました。

電源回路基板はビス止めした板片にグルーガンで接着しました。まぁ外れることはないだろうとたかをくくっています。AC100V は電源スイッチを経由して入力します。基板内にヒューズらしきものがあるので、ヒューズは取り付けませんでした。
取付位置に点灯管の穴があいていて指が入っちゃうので、ペットボトルの蓋を加工した丸板を接着してふさいでおきました。

調光回路基板は 2 箇所をビス止めです。ビスのない奥側は、ケースの突起部分に載っていますので安定しています。
電源基板と調光回路基板の間に小型ボリュームが見えます。場所的にちょっときつかったのですが、なんとか収まっています。

写真 6. 安定器

基台内の中央部分に大きくスペースがあいていますが、ここに安定器 (写真 6) が入ります。あ?安定器?

もちろん電気的に安定器は必要ないのですが、これがないと物理的に不安定になります。つまり、電気スタンドを安定させる “おもり” です。
いやぁ、こいつを収納するために基板の取り付けに苦労した、というわけで。安定器が取り付けられた鉄板が、基台の底板になっています。

写真 7. ランプシェード内のテープライト配置

ランプシェード部分にテープライトを配置しました。
LED は 30 灯です。適当に切断して貼り付け、切断箇所の樹脂を剥がしてワイヤをはんだ付けします。切り口があたる金属部分に絶縁テープを貼付してあります。はんだ付け部はグルーガンで “なんちゃって” 絶縁する予定です。

基台からシェードまでの配線は既存の電線 (0.75mm2) を利用しました。ちょっと太くて扱いにくいのですが、交換するよりは楽です。

調光回路

LED テープライト (30 灯 : 5V / 415mA) 用の調光回路図です。

図 1. LED テープライト用調光回路図

ネットで見つけることのできる NE555 を使った簡単な PWM 回路です。過去記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

発振周波数を計算してみましょう。
ボリューム RV1 10KΩ (B カーブ) を中間位置としたときの充電時間 tH と放電時間 tL は、

tH = 0.693x(1+5)x2.2 = 9.15 [μs]
tL = 0.693x5x2.2 = 7.62 [μs]

周期は tH+tL=16.77μs ですが、NE555 では TRIG が 10μs 以上 HIGH にならないとシーケンスが進みません。したがって、周期はさらに 10μs をプラスした 26.77μs となり、周波数では 37.4KHz です。実測値では 40~42KHz でした。
当初、周波数を 25KHz にしていたのですが、息子からモスキート音がするとの指摘があり、周波数を上げました。彼の耳には 30kHz ぐらいまで聞こえるらしいです。俺は 12KHz あたりまでしか聞こえませんが、まぁ年相応です。

LED 電流は 415mA で、これが 2SC2120 のコレクタ電流 IC です。電流増幅率 hFE を 50(*1) としてベース電流 IB は、

IB = 415/50 = 8.3 [mA]
(*1) 2SC2120 (O ランク) の hFE は 100~200 ですが、十分に飽和させるために hFE を 50 として計算しています。

NE555 の出力電圧 VO を 3.5V、ベースエミッタ間電圧 VBE を 0.7V とすると、ベース抵抗 R2 は、

R2 = (3.5-0.7)/8.3 = 337 [Ω]

なので、E6 系列より 330Ω としました。

テープライトのような長さのある負荷を PWM 制御するとリンギングが起きます。R3、C4 はリンギングを除去するためのスナバ回路で、定数はテキトーです。電源側の C5 もかなり効果あります。このあたりは出力波形を見ながらカットアンドトライで決めました。

図 2. 調光回路の出力波形

図 2 は、回路の試作時に測定した出力波形で、デューティ比が最低の状態です。黄色が 2SC2120 のコレクタ電圧、青色が電源電圧です。

周波数 40.6KHz、周期 24.6μs です。オン時間が 6.6μs なので、デューティ比は約 27% です。前述したように、TRIG の HIGH 時間は最低 10μs とされているので、これ以上デューティ比を小さくすることはできません。が、まぁ、調光範囲としては十分でしょう。

このように、NE555 を使った PWM 制御回路では、発振周波数を高くすると最低デューティ比が大きくなってしまいます。モスキート音の影響がなければ周波数を低くしたいところですが、難しければ回路方式を変更するよりないでしょう。

後記

光源の明るさがカンデラ [cd]、光源から出る光の総量がルーメン [lm]、照らされた面の明るさがルクス [lx]。具体的な感覚はまったく、ない、です。
でも、今回電気スタンドに LED テープライトを取り付けてみて、66lm の LED はとっても明るく見えるけれど、デスクで本を読むにはまったく非力だよねぇ、ってことを実感しました。小学校の理科かっ。いやぁ、死ぬまで勉強です。

デスクライトとしてはまったくダメな製作でした。
じゃ、テープライトの調光器としてはどうかというと、デューティ比 30% ほどまでしか落とせないのはイマイチかもしれません。それでも良ければ、それなりに使えるんじゃないでしょうか。NE555 って手軽ですし。

じつは過去に LED バーライトの調光器を試作しています。コンパレータ IC 1 個とトランジスタ数個でできる簡単な PWM 制御回路です。発振周波数は 25KHz、モスキート音の考慮はありませんが、デューティ比は 0~100% 可能です。電圧制御もできるので、何かに連動させることもできます。
あわせてご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました