突然ですが、アマチュア無線局を開局することにしました。
俺がアマチュア無線の免許証を取得したのは 1970年 (昭和45年) 12月、資格は電話級 (現在の第4級) でした。翌年 7月に 6mバンド (50MHz帯) で運用開始し、20年ほど運用しましたが休止、2001年無線局免許状の有効期限切れとともに閉局しました。
そんなアマチュア無線ですが、電子工作なんぞをやり始め電気電子を勉強するうちに、もう一度やってみたいなぁと思っていたんです。
というか、昔はなにかつくりたいと思っても、情報も知識も教えてくれる人もなかった。専門誌の「CQ」は購読していたけれど、製作記事などはチンプンカンプン。それに、欲しい部品が買えるほど裕福でもなかった。
まぁだからといって、これから特別なにかをつくりたいってわけでもないのですケド。とにかく局免 (無線局免許状) 取得しておけば、いろいろやれることが増えるんじゃないかなぁ、って。
もうひとつ、むしろこっちのほうが動機としては大きいかもしれないのですが。当時のコールサインがまだ再割り当てされていないようなので、もう一度同じコールサインを取得できる可能性があるんです。やっぱり思い入れ、あるんですよ、自分のコールサインって。
ということで、旧コールサインを復活取得するべく、アマチュア無線局の開局申請を行ないます。無線設備は、これも昔使っていたやつが残っている。使い物になるかどうかはわからないのですが、局免があれば触れます(*1)。始めてみましょう。
開局申請の流れ
アマチュア無線局の開局申請について、ググってみたのですがやっぱりいろいろややこしい。わかった範囲で申請の流れをまとめておきます。
旧コールサインの再割当て状況を確認する
目的の一つである旧コールサインの復活。俺は 9エリア (北陸総合通信局管内) なので再割り当ては始まっていないそうだけれど、確認しておきましょう。
ちなみに、2023年12月2日の 9エリアのコールサイン発給状況は JF9SXV だそうです(*2)。プリフィクス JF9 が売り切れるのは 2042年の予測(*3)ですけれど、どうなるかは神のみぞ知ること。
コールサインの状況は、総務省無線局等情報検索で調べられます。「かんたん検索 – 種類で探す – アマチュア局を検索」に入り、コールサインを入力して検索します。「検索結果が 0件です」と表示されれば、そのコールサインは使用されていません。以前に指定されていた本人で同じエリアに常置場所があり、旧コールサインを証明できる書類があれば、復活することができます(*4)。
俺のコールサインは?「検索結果が 0件です」
いまも 9エリアに住んでいて、失効した局免が、あります、あります。おめでとう!
古い無線機で開局申請する
開局申請するには無線設備が必要です。
無線設備とは、受信機と送信機と空中線 (アンテナ)。それらをひとまとめにしたハンディー機 (トランシーバ) が最もかんたんな無線設備です。たとえば、アイコム IC-T10 とか、八重洲無線 FT-65 とか。でも、9エリアで 144MHzや 430MHzはアクティブ?さぁ、どーなんでしょ。買ったはいいが、誰もいなかった、なんてね(*4)。
無線機といえば、昔使っていたアイコムの IC-2N と IC-551 が残っています。使えるかどうかは、定かではありません。たしか IC-551 は故障していたんじゃなかったかなぁ。IC-2N は、とりあえず電源は入ります。PTT (Press to Talk 送信ボタン) を押すと送信ランプが点灯します (ダメーっ、電波法違反です ^^;)。しかし、メインチャネル (145.00MHz) に入感なし。
この古い無線機で開局申請できませんか?
どちらも技適 (技術基準適合証明) がありません。が、JARD (日本アマチュア無線振興協会) の基本保証を受ければ開局申請できるそうです(*5)。保証料が必要ですが、新しい無線機を買うより安いです。
保証可能機器リストには、IC-2N、IC-551 どちらの無線機も、あります、あります。おめでとう!
開局申請の流れ (基本保証を含む電子申請)
古い無線設備で、旧コールサインを復活する道が開けましたので、電子申請でアマチュア無線局を開局する手順を記しておきます(*6)(*7)。一部曖昧な部分があるのですが、実際に手続きを進めていけばわかるだろうと思います。
- 「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」でユーザ登録を行ない、ユーザID通知書 (1週間ほどで郵送) を受領
- 受領したユーザIDで Lite へログインし、初期パスワードを変更
- 申請に必要な電子申請ファイル (zipファイル) を作成し、保存しておく (送信はしないこと)
- JARD サイトにて保証願書(*6)を入力し、電子申請用ファイルをアップロード
- 保証料を振り込む
- JARD の審査 (14日前後) が完了すると、保証書や電子申請用ファイルがメールで届く
- 届いた保証書を電子申請用ファイルに添付して、本申請
- 総合通信局の審査が完了すると、手数料納付通知が届く
- 手数料を電子納付
- 免許状受取のための返信用封筒を送付
- 免許状 (郵送) を受け取る
はぁ、免許状を受け取るまでの道のりは、長いです。頑張りましょう。
(*7) 操作手順書(ご利用の手引き)のダウンロード
電子申請・届出システム Lite へアクセスする
操作手順
Lite の操作は、操作手順書(ご利用の手引き)のダウンロード から操作手順書をダウンロードして参照します。パソコンの推奨環境 (推奨環境の確認) に、操作手順書に書かれていない Windows11 や Google Chrome が追加されています。
「総務省 電波利用 電子申請・届出システムLite」へのアクセスは、手順書には「URL欄に『アマチュア無線申請.jp』と入力する」と書かれていますが、日本語ドメインは応答が遅くてエラーになる場合があるようです。「アマチュア無線申請」で検索したほうが確実です。
システム環境と設定状況の確認
Lite にアクセスしたら、まず「手順1 システムをご利用の前に」に入り、「ご利用環境のチェックを開始する」を実行します。判定結果 (OS、ブラウザの種類、ブラウザの設定) がすべて「◯」であることを確認しておきましょう。
新規ユーザ登録
利用環境の確認ができたら、「新規ユーザ登録」をクリックします。申込み時に無線従事者免許証の番号が必要になりますので、用意しておきましょう。「はい (登録へ進む)」、利用規約に「同意する (登録へ進む)」をクリックします。
ユーザ情報入力の入力画面になりますので、必要事項を入力します。入力内容を確認して「送信」します。
以上で Lite を利用するためのユーザ登録申込みができました。「ユーザID発行依頼 到着のお知らせ」のメールが届いたら申込み完了です。1週間程度で「ユーザID通知書」が郵送で届くそうなので、のんびり待ちましょう。
電波利用料
開局申請についていろいろサイトを見て回っていましたが、電波利用料について書かれているサイトがなかったように思います。見落としているだけかもしれませんが。
電波利用料は、1993年 (平成5年) 4月1日から局免に対して毎年課せられることになりました。当時はアマチュア無線局で年間 500円でした。閉局した後、2008年 (平成20年) 10月1日より 300円に引き下げられているようです。
現在も年間 300円とのこと。免許の日に納入告知書が送られてくるので、きちんと納めましょうね。昔の無線局の資料ファイルを見ていたら「督促状」があったです Hi。なお、免許期間の 5年分を前納することもできるそうです。
後記
今回は、アマチュア無線局の復活開局にむけて、開局申請の手順について調べました。現在、「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」のユーザIDの登録申し込み中で、ユーザID通知書の到着を待っています。
開局してから何するか、とくに決めていないです。というか、昔もそうだったように、なにをどうすればいいのかすらわかっていないような気もします。一から勉強しなおして、自分なりの楽しみ方を見つけられたらいいなと、思っています。