アマチュア無線局を、旧コールサインで「復活」するための開局申請を行なっています。
申込みから 6日目、Lite のユーザID通知書が届きました。さっそく次の手続きにとりかかりましょう。今回は、古い無線機で開局申請するための基本保証を、JARD (日本アマチュア無線振興協会) へ電子申請します。
アイコムの IC-2N と IC-551 という古い無線機が残っているので、こいつらで開局申請しようと目論んでいたのですが、IC-551 は電源すら入りませんでした。まぁ、30年も放置していたのですから仕方がない。
でも、IC-2N は動いていますので、これ 1台で開局申請しようと思います。
アイコム IC-2N は 1980年発売の 144MHz FMハンディ機。「世界で一番売れたハンディ機(*1)」だそうです。当時、このサイズは衝撃的でしたね。でも 144MHzにはあまりオンエアしていなかったので、宝の持ち腐れでした。これから復活開局したら、活躍する場は、ある、でしょうか …
以下、2023年12月上旬に行なった基本保証申込みの手順を記しますが、これは俺がやったことの記録であり、申込みの手順書ではありません。書いてあるとおりにならねぇーぞ、等の苦情は受けられません。また、何があっても一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。ってことで。
パスワード変更
ユーザID通知書を受け取ったら、Lite にログインし、初期パスワードを変更します。
「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」にアクセスし、ユーザIDと初期パスワードでログインします。パスワード変更の入力画面になるので、新しいパスワードを入力して「変更」ボタンをクリックします。
パスワードは 8文字以上で、半角大小英字、数字、記号の組み合わせです。
電子申請ファイルの作成
では、開局申請に必要な電子申請ファイルを作成しましょう。
ここでのポイントは、開局申請の前に基本保証を受けなければならないので、作成した電子申請ファイルを (総合通信局ではなく) JARD へ送る、ということ。
事項書や工事設計書といったちょっと難しい書類や、用意しておかないといけない書類があります。確認してから入力するのが良いと思います。
また、入力途中に「入力内容保存」ボタンがあるので、保存しながら進めましょう。入力中に 30分以上操作しないと自動的にログアウトしてしまいます。再ログインして保存したファイルを読み込めば、入力を続けることができます。
Lite の操作については操作手順書(ご利用の手引き)を参照してください。
入力方法選択
Lite にログインし、「開局申請 – 手順3 申請・届出 – はい (登録へ進む)」をクリックします。
「新たに申請手続きを開始します」を選択し、「必要事項の全てを最初から入力」をクリックします。以前に保存したファイルから入力・編集するときは「保存したファイルを読み込んで編集」をクリックします。
入力後も、戻ったり進めたりできます。確認しながら入力していきましょう。
申請者情報
申請者情報入力、名前や住所などを入力します。ユーザIDの情報を自動入力することもできます。
- 宛先:住所を管轄する総合通信局長(*2)を選択
- 個人/社団の別:「個人」を選択
- 欠格事由:電波法に違反して刑罰を受けたり、無線局免許の取消処分を受けたりしてから 2年以内の人が該当します(*3)。該当しなければ「無」を選択
- 希望する免許の有効期限:最大有効期間 5年間を希望するので、チェックしない
- 電波利用料の前納の申出の有無:5年分前納するときチェック。5年分といっても 1,500円ですので、前納しちゃいましょう。
- 電波利用料の前納に係る期間:「無線局の免許の有効期限まで前納します」を選択
最後に連絡先 (自動入力できます) とメールアドレスを入力して、いったん保存しておきましょうか。
保存ファイル名は半角英数字とします。デフォルトで「shinsei_yyyymmdd.zip」になるので、そのままでいいでしょう。作成された zipファイルは展開してはいけません。また、スマホやタブレットでの作成は非推奨です。推奨環境のパソコンで作成してください。
保存したら「次へ」をクリックします。
(*3) 「欠格事由」とは
事項書及び工事設計書
これから、ちょっと難しい事項書及び工事設計書を作成します。
工事設計書の入力には、昔の申請書類の控えが役立ちました。もし残っていたら用意しておきましょう。
申請者情報
氏名と住所を入力します。申請者情報から自動入力することができます。
- 個人/社団の別:個人
- 工事落成の予定期日:保証認定機器なので入力不要
- 無線従事者免許証の番号:無線従事者免許証をみて入力
- 無線設備の設置場所又は常置場所:住所を入力 (自動入力できます)
ちなみに、移動しない局の場合は「設置場所」、移動する局の場合は「常置場所」と言います。 - 移動範囲:移動する局としますので、「移動する(陸上、海上及び上空)」にチェック
- 電波の型式並びに希望する周波数及び空中線電力:チェックします
申請書記載や免許状の表記の簡素合理化により、記載方法が変更になっています(*4)。
呼出符号の再割り当て希望
旧コールサイン (呼出符号) を復活したいので、呼出符号は「旧呼出符号希望」にチェックし、旧コールサインを入力します。無線局免許状は失効しているので、免許の番号は空欄とします。
あとで旧コールサインの証明書類(*5)を添付しますので、用意しておきましょう。俺は、失効した免許状が残っていましたのでそれを使用しました。
工事設計情報入力
工事設計書を入力していきます。
まず、工事設計書編集の「追加」ボタンをクリックし、工事設計情報入力の画面に入ります。ここで、装置ごとに電波の形式や周波数範囲を入力します。今回申請する無線機は IC-2N 1台だけです。
でですねぇ、電波の形式が昔の表記と変わりました。申請しようと思っている電波の形式「F3」は「F3E」という表記になっています(*6)。
- 装置の区分:第1送信機
- 適合表示無線設備を使用する:技適のない無線機なので、チェックしない
- 希望する周波数帯:144M
- 占有周波数帯域幅:記入しない
- 電波の形式:F3E
以下は、無線機の仕様を調べて入力します。内容は IC-2N の場合で、昔の工事設計書から転記しました。
- 変調方式:電波の形式 F3E、変調方式 上記以外の周波数変調、備考 リアクタンス変調
- 終段管:名称 2SC1947、個数 1個、電圧 9V
- 定格出力:1.5W
- 添付書類:添付する書類 (送信機系統図) はありません
入力が終わったら「設定」ボタンをクリックし、工事設計書入力に戻ります。
工事設計書
- 送信空中線の型式:IC-2N に付属のアンテナを使うので「単一」を選択
- 周波数測定装置の有無:28MHz以上は不要なので「無」にチェック
- 送信機系統図:JARL 保証認定機器なので送信機系統図は不要、チェックしない
- 電波法第3章に規定する条件に合致する:必ずチェックする
- 添付書類:「追加」ボタンをクリックし、旧コールサインの証明書類を添付します。失効した局免が残っていたので、それを PDFファイルにして添付しました。
以上で工事設計書の入力は終了です。「入力内容保存」して一休みしたら、次へ進みましょう。
申請手数料等
空中線電力は「20W(*9)」です。IC-2N の送信出力は 1.5W ですが、第4級が 144MHz で扱えるのは 20W以下ですので、ここは最大の「20W(*9)」と入力します。
(*9) 2023.12.21 訂正
2.4GHz帯未満では、送信機の定格出力が 10W以下の場合「10W」と記入してください。10Wを超え 20W以下では「20W」と記入します。
「手数料自動計算」ボタンをクリックすると、自動的に手数料額が入力されます。今回は 2,900円でした。
免許状受取方法は「返信用封筒別送」を選択しました。必要になるのは、定型封筒 2枚と 84円切手 2枚です。送付先は申請者情報で入力した住所となります。
入力内容保存して、次へ進みましょう。
申請情報確認
申請情報内容を確認します。誤りがあれば「戻る」、誤りがなければ「次へ」をクリックします。
保存・送信
「入力内容保存」をクリックして、入力内容をパソコンに保存します。ここで送信してはいけません。
保存ファイル名は半角英数字とします。作成された電子申請ファイル (zipファイル) は展開 (解凍) してはいけません。また、スマホやタブレットでの作成は非推奨です。推奨環境のパソコンで作成してください。
審査後に修正などを求められることがありますので、作成したファイルは保管しておきましょう。
保存したら、「キャンセル」ボタンでトップページに戻り、ログアウトします。
基本保証の申込み
ここからは JARD のサイト「電子申請による基本保証のお申込み手順」に移動して、基本保証の申込みを行ないます。
「STEP 1 電子申請用ファイルを作成・保存」はすでにできていますので、STEP 2 から進めていきましょう。
STEP 2 保証願書の入力
「開設のお申し込みはこちら – 開設の場合」をクリックすると、「アマチュア局の保証願書 (開設)」の入力画面になります。
出願の日
- 出願の日:申し込みする日を入力
- 出願者:氏名、住所などを入力
免許を申請する無線設備
保証を申し込むのは 1台だけです。第1送信機の「保証対象」にチェックします。以下は IC-2N の場合です。
- 送信機の名称:IC-2N
- JARL登録機種の登録番号:I37
保証可能機器リストから該当機種の JARL登録番号を入力します - 接続するブースタの名称等:空欄
- 付属装置の有無:何もないのでチェックしない
- その他の事項:「電波法第3章に規定する条件に合致しています」にチェック
安全及び保安施設
- 電波の強度:移動する局の場合は「該当しない」を選択
- 高圧電気:高圧電気には「該当しない」
- 保安施設:申請するのは 144MHzなので「該当しない」
無線設備の保守点検
「実施します」にチェックします。
遵守事項
すべてにチェックを入れます。
特例適用
HAMttaクーポンはないので、「利用しない」を選択します。
参考事項
何もありませんので、すべて空欄です。
保証料の額
自動計算されます。保証シールは、基本保証は発行の対象外ですのでチェックしません。
送信機は 1台なので、保証料は 4,100円となりました。
なお、保証料は 2024年 2月より値上げされます(*7)。
「入力完了」をクリック、入力内容を確認して間違いなければ「次へ」をクリックします。
STEP 3 電子申請用ファイルをアップロード
「ファイル指定」で、作成した電子申請用ファイル (zipファイル) を選択し、送信します。受付完了画面に切り替わりますので、受付番号を控えておきましょう。
「保証願書を受け付ました」メールが届いたら、提出完了です。
STEP 4 保証料の振込等
保証料は、保証願書提出の日から 7日以内に振り込まなければいけません。入金確認して申込み受付け完了となりますので、早めに振り込みましょう。
振り込み方法は、
- 郵便局の口座振替
- 銀行振込
1) 三菱UFJ銀行
2) ゆうちょ銀行
のいずれかです。ちなみに俺は、すぐにゆうちょダイレクトから口座振替しました。いつでも振り込めるし、手数料もかからないので便利です。
STEP 5 基本保証申込みの完了、その後について
「保証書」は 14日前後でメールで届くそうです。届いたら、保証書を添付して開局申請を行ないます。のんびり待ちましょう。
後記
今回は、技適のない古い無線機で開局申請するための基本保証を、JARD へ電子申請しました。保証書が届けば開局申請ができます。2週間、首を長〜くして待ちましょう。
ときどきハンディ機 IC-2N でワッチしてみていますが、ローカル局を何局か受信できました。お話を聞いていると、やはりオンエアされている局は少ないようです。が、受信機も正常に稼働しているようす、ちょっと安心しています。
「アマチュア無線は、まずワッチから始まります(*8)」
ハンディ機のアンテナではワッチもままならないので、受信用に簡単なアンテナをつくろうかと考えています。でも、同軸ケーブルは 5C-2Vに M型コネクタ、って感覚のおいらには新しいことだらけ。あ、監視カメラの仕事で BNCコネクタは扱ったことあるなぁ。けど、同軸ケーブル RG-58 ってなに? 5D-FBってなに?
ぼちぼち勉強してます。コネクタやら同軸ケーブルやら、注文したですよ、はい。