2023.6.25
内容を新しくした記事を投稿しました。あわせてご覧ください。
前回は、「RS フリップフロップをトランジスタで作る」で RS フリップフロップ回路を作ってみたのですが。
ja:User:Signed-C – 投稿者が撮影, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
RS フリップフロップといえば、ウィキペデイアに載っているゲート回路を使用した左図のような回路。
NAND ゲートを二つ使ってできていますが、NAND ゲートをトランジスタで作れば同様の回路ができるってことですね。
だからなんだって話ですが、はい、トランジスタで遊ぶネタにしようと思います (^_^;)
NAND ゲートってどうなってるの?
Sakurambo – Own work, made with Adobe Illustrator CS2, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
A | B | Q |
0 | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 0 | 1 |
1 | 1 | 0 |
ウィキペディアにある TTL 型 NAND ゲートの等価回路です。
入力 A 、B のどちらか、あるいは両方が Low のとき、R1 から VT1 へベース電流が流れて ON になり、VT2 のベースが Low になって、出力 Q は High になります。
入力 A 、B の両方が High になると、VT1 のベースからコレクタへ電流が流れます。逆トランジスタという状態ですね。
このとき、逆にエミッタからコレクタへも電流が流れます。コレクタ電流は VT2 のベースに流れ込み、VT2 が ON 、出力 Q は Low になります。
真理値表を作ってみると左表のようになります。NAND になっていますね。
入力のエミッタが二つあるマルチエミッタトランジスタは、二つのトランジスタで置き換えることができますから、このままトランジスタで作ることができそうです。
出力段は、インピーダンスを小さくするためにトーテムポールにするのが標準のようですが、今回はオープンコレクタのままやってみましょう。
NAND ゲートをトランジスタで組んでみた
等価回路を参考にして実際に組んでみた TTL-NAND ゲート回路です。
スイッチ S1 、S2 は入力を High 、Low に切り替えます。
Q1 、Q2 はマルチエミッタトランジスタを構成しています。
Q1 、または Q2 のエミッタが Low のとき、ベースからエミッタへ電流が流れ、トランジスタは ON になりコレクタも Low になります。
Q3 はオープンコレクタです。ベースが Low ですからトランジスタは OFF 、出力 Q は High となり LED が消灯します。
Q1 、Q2 のエミッタが両方共 High になると、ベースからコレクタへ電流が流れる逆トランジスタ状態になります。このとき、ベース電圧は 1.4V 、コレクタ電圧は 0.7V でした。するとエミッタからもコレクタへ電流が流れます。これらのコレクタ電流は Q3 のベースに流れ込み、Q3 は ON となって出力 Q は Low 、LED が点灯します。
ここで S1 だけが Low になったとすると、Q1 、Q2 のベースが 0.7V に落ちてコレクタは 0V 、出力 Q は High となります。
フレッドボードのようす
ブレッドボード上に組み立ててみた TTL-NAND ゲート回路です。
簡単な回路ですけど、実際に組んで、入力を切り替えながら各部の電圧を測定してみると、回路の動きがよくわかります。
次は、この TTL-NAND ゲートを使って RS フリップフロップを作ってみようと思います。