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外付けHDD用の冷却ファンを制御する

写真1 PC上に置かれた外付けHDD
写真2 冷却ファンと制御回路
写真3 底面のサーミスタ

パソコン本体の上に置かれた、ちょっと古い外付け HDD (写真 1) 。こんな置き方してると熱くなりますわなぁ、筐体上部が 38℃ ぐらいです。これから夏場は、もっと熱くなりそう。
もっと良い環境に置いてほしいもんです。んなことゆーても、置けるぐらいならこんなところに置いてませんって (;´Д`)

ジャンク箱に CPU の冷却ファンがありますので、こいつで冷やしてやりましょう。サーミスタもありますので、これで温度を検出して、回転数制御しましょう。

ってことで作ったのが、写真 2 。
基板がむき出しになっていますが、カバーはしたいなぁと思ってます。まぁ、そのうちに。

小型のパソコンに使われていた冷却ファンで、いい感じにアルミケースがついてます。奥側が開放されているので、上から吸い込んだ空気はそちらへ吐き出されていきます。

底面にサーミスタを取り付け (写真 3) 、熱い筐体の上に置くことで接触して温度を検出、熱かったら高速回転で冷やします。温度が下がったら回転数も下げます。
高度な温度制御なんて必要ありませんから、単純に、サーミスタの出力によって回転数制御の PWM 信号のデューティ比を変化させるだけです。

室温 29℃ 。
机の上に置くと、ファンは静かに回っています。サーミスタに手をあてると、少し回転数が上がります。
38℃ ほどになっている外付け HDD の上に置くと、ファンは高速で回転。しばらくすると 32℃ ほどまで温度が下がり、ファンも回転数を下げ、静かになります。
低速回転していると、だいたい 32℃ ほどで安定しています。室温が上昇しても、室温 +3℃ ぐらいでいてくれます。

回路図

今回使ったのは、2 回路入りのオペアンプ LM2904 と、同じく 2 回路入りのコンパレータ LM2903 。単純なフィードバック制御なので、Arduino は使ってません。

ファンコントローラ回路図

上段が、オペアンプを使った、サーミスタからの信号の増幅部。
サーミスタは、以前にも使ったことがあるジャンク品です。ここ で特性を調べています。
サーミスタの出力はインピーダンスが高いので、ボルテージフォロワのバッファをいれて、インピーダンスを下げています。

下段が、コンパレータを使った、三角波発振部とPWM信号出力部。
こちらは ここ で試してみた PWM 信号発生回路です。出力された 25KHz の PWM 信号で、CPU ファンモータの制御を行ないます。

電源は、DC12V 1A の AC アダプタです。秋月電子通商から AD-M120P100 を購入しました。
DC5V は三端子レギュレータ 7805 で出しています。毎度のごとく回路図にはありませんが、特に変わったことはしていません、フツーに使っています。

過去に計測したこのサーミスタの抵抗 – 温度特性は、抵抗値 R 、温度 t とすると、次の式になります。

R = 4228 e-0.0511t

この式で計算した、温度範囲を 25〜45℃ としたときのサーミスタの抵抗値は 1180〜424KΩ です。直列抵抗を 1MΩ としたとき、サーミスタの検出電圧は 2.71〜1.49V 。これをオペアンプで増幅しましょう。反転増幅回路ですが、+ 側にバイアス電圧を加えています。
検出電圧の高低の差は 1.22V あります。PWM 発生回路の基準電圧として 3.5V ほしいので、増幅率は約 3 倍。バイアス電圧は、検出電圧の中央あたり 2.1V をかけることにしましょう。

バイアス電圧を加えた反転増幅器の出力電圧 Vo は、入力電圧 Vi 、バイアス電圧 V+ とすると、

Vo = V+ - ( R2 / R1 ) ( Vi - V+ )

バイアス電圧を 2.1V としたとき、出力電圧は、

Vo(25℃) = 2.1 - ( 68 / 22 ) x ( 2.71 - 2.1 ) = 0.22 V
Vo(45℃) = 2.1 - ( 68 / 22 ) x ( 1.49 - 2.1 ) = 3.99 V (OPアンプの最大出力は 3.5V)

これを PWM 信号生成の基準電圧とすれば、三角波の電圧は 3.5Vpp なので、デューティ比を 6〜100% にできますね。6% 以下のデューティ比では、回転数の差はほとんどありませんから、これで十分です。バイアス電圧は、運用しながらいい感じのところを探っていきましょう。

ユニバーサル基板

基板は、毎度のようにユニバーサル基板を使っています。

ユニバーサル基板 表面

表面の様子。

秋月電子通商の C タイプ (72 × 47mm) 、片面基板です。
金属被膜抵抗とカーボン抵抗が混ざってますけど、実験用にそこいらに転がっていたやつをつまんできただけで、意図はないです。この程度の回路なら、カーボン抵抗で十分です。三角波の周波数もラフなので、温度特性なんか気にする必要ないです。

ファンモータのコネクタ、ジャンクなマザーボードとか探したのですが 3 ピンしかなかったので、ピンヘッダで代用しています。サーミスタ用は XH コネクタです。

ユニバーサル基板 裏面

裏面です。

配線スペースが狭いので、ポリウレタン銅線 (2UEW) 0.29mm を使用しました。はんだ付けがなかなかうまくできない (;´Д`)
ファンモータへの 12V ラインは AWG26 より線 (赤色) を、同じくファンモータまでの GND ラインは 0.5mm 裸銅線を使っています。

ファンの定格電流は 0.5A です。2UEW 0.29mm の許容電流がわからないのですが、断面積が 0.066mm2 ですから、1mm2 あたり 10A として、0.6A 程度かな。ファンモータに給電するには余裕がありません。
AWG26 は、製品に「0.15sq 相当」と書かれていましたので 1.5A 、0.5mm 裸銅線は断面積 0.20mm2 で 2A と見込んでいます。許容電流の半分以下で使うとして、十分な太さです。

製作後記

エコじゃ、ない。

電気で発熱したものを電気で冷やすなんて、エコじゃ、ない。

楽しいけど、さ (^_^;)

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