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タイマIC NE555 を使ってみた (4) / 5つの回路例

NE555は、タイマ回路や発振回路に使われるとてもポピュラーな ICです。が、じつは俺、まだ使ったことがない。なので、タイマIC NE555について調べてみました。

前回は、非安定動作 (A-stable Operation) について確認してみました。非安定動作は、発振回路として使うことができました。

基本的な動作を確認できたので、今回は、ネットでよくみかける 5つの回路例を、じっさいに動かしてみようと思います。

単安定動作を利用した回路例

単安定動作 (Monostable Operation) は、外部からのトリガ信号で動作する方式で、おもにタイマ回路などに利用されています。

たとえば、3分間を計るカップラーメンタイマ、消灯後も10分間ほど電灯をつけておく遅延タイマ、自由に時間を設定できるキッチンタイマなど、タイマといってもいろいろありますが、基本はどれも同じです。また、数10ミリ秒の遅延動作をさせるタイマは、スイッチのチャタリング防止にも使えます。

ネットでもよくみる、いろいろなスイッチとして利用する回路をつくってみました。

光電スイッチ

図1. 光電スイッチ 回路例

光電スイッチ (図1) は、周囲が暗くなると LEDが点灯し、明るくなると消灯するスイッチです。このスイッチにはヒステリシス特性があります。

明るさの検出には CdSセルを使っています。
暗くなると抵抗値が大きくなりますので、THRESに入る電圧が高くなります。THRESのしきい値を超えると OUTが LOWになり、LEDは点灯します。
明るくなると抵抗値が小さくなり電圧が低下、TRIGのしきい値を下回ると OUTは HIGHになって、LEDは消灯します。
LEDをソースでつなぐと、点灯、消灯が逆になります。

CdSセルを、温度で抵抗値が変化するサーミスタに変更すれば、サーモスタットにもできますね。

ラッチスイッチ

図2. ラッチスイッチ 回路例

ラッチスイッチ (図2) とは、押しボタンを押すたびにオンとオフとが切り換わるスイッチです。

コンデンサ C1は、OUTが HIGHならば充電されて 3.6Vに、LOWならば放電して 0Vになります。つまり、C1は、OUTの状態を記憶していることになります。

C1が 0Vのときに押しボタンスイッチを押すと、TRIGが LOWになり、OUTが HIGHになります。
C1が 3.5Vならば、THRESが HIGHになり、OUTは LOWにもどります。
このようにして、OUTが切り換わります。

タッチスイッチ

図3. タッチスイッチ 回路例

タッチスイッチ (図3) は、タッチセンサに触れると LEDが点灯するスイッチです。タッチセンサといっても、単なる電極ですけど。

この回路では、LEDは点灯しているようにみえますが、じつは早い周期で点滅しています。
タッチセンサに触れると、ノイズが TRIGに入ります。ノイズは、おもに商用電源の周波数、俺の住んでいる西日本の地域では 60Hzの交流信号です。東日本なら 50Hzですね。TRIGに 60Hzの交流信号がはいるということは、毎秒 60回 LOWレベルになるということ。

TRIGが LOWになると LEDが点灯。R1、C1回路により数msで消灯。次のノイズの LOWレベルが TRIGに入って点灯。これを繰り返します。

非安定動作を利用した回路例

非安定動作 (A-stable Operation) は自己トリガで動作する方式で、おもに発振回路として利用できます。

出力されるのは矩形波で、0.001Hz~100KHzの範囲です。コンデンサの充電、放電の時間を調整することで、デューティ比を変化させることができます。また、コンデンサの電圧を三角波として利用することもできます。

PWM波発生器

図4. PWM波発生器 回路例

デューティ比を変えられるので、PWM波を発生することができます。簡易な DCモータドライバにも応用されているらしい PWM波発生器 (図4) をつくってみました。

ボリューム VR1が左端にあるとき、充電は 1KΩ、放電は 10KΩを介して行なわれます。このときのデューティ比は 10%ほど。
ボリュームが中央付近でデューティ比は 50%。右端で 100%になります。

どの位置でも周波数はほぼ同じで、8KHzほどになりました。

デューディ比は 0%にはなりません。
OUTが LOWになるには、TRIGがしきい値を超えてから 10μs以上必要です。OUTの HIGH時間は最低でも 10μsで、発振周期の 10%ほどになるためです。

可変周波数発振器

図5. 可変周波数発振器

制御入力 CONTには、THRESのしきい値を変化させる働きがあります。このとき、TRIGのしきい値は、THRESの 1/2になります。

図5 の回路は非安定マルチバイブレータで、ボリューム VR1がないとき、600Hzを発振します。
CONTにボリュームをつけて電圧を調整すると、300~900Hzの範囲の発振ができるようになりました。しきい値が変化することで、コンデンサの充放電のタイミングが変化するためです。

出力 OUTに圧電スピーカをつけましたので、ブーギーと音が鳴り、周波数の変化がわかります。

後記

今回は、5つの回路例をつくって、動かしてみました。

どの回路も基本形なので、たとえば、出力にモータドライバを入れてモータを制御するとか、リレーを入れて電気回路を制御するとか、応用できます。トランスを入れてインバータにする、という事例もありました。入力側も、抵抗分圧や CR回路といったアナログ信号に限らずとも、デジタルな信号を渡すことも可能です。

ただまぁ、正直言って、俺自身がつかう場面ってあるかなぁ。
孫につくってあげた信号機のおもちゃの Arduinoを、NE555のタイマシーケンスに置き換える、ってことぐらいしか、いまは思いつかないっす (;´Д`)

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