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ダイポールアンテナを NanoVNA で調整する

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NanoVNA を使用したアンテナの調整について、日々新しい発見をしています。タグ「NanoVNA」「アンテナ」から検索して、ぜひ新しい記事をご覧ください。

NanoVNA の使い方がわかってきたので、以前テキトーに作ってみたダイポールアンテナを NanoVNA で調整してみようと思います。

以前作ってみたダイポールアンテナは、これ。そこらへんにあったものを使ってテキトーに作ったものです。

NanoVNA について、前回は特性がわかるダミーアンテナを NanoVNA で測定してみました。作ったダミーアンテナの共振周波数は f0=145.3MHz、インピーダンス ZL=74.7-j0.0351Ω となっています。50Ωの同軸ケーブルをつないだときの反射係数は Γ=0.198-j0.000 でした。

MMANA を使って設計してみた

MMANA はモーメント法によるアンテナ解析ソフトです。モーメント法とはよーするに、アンテナを小さなアンテナに分割してそれぞれ計算し、それらを全部合わせたら全体の特性がわかるよね、っていう解析方法。
じつはまだ説明書もまともに読んでないのだけれども、簡単にダイポールアンテナを設計して使い方を試してみようと思います。

アンテナ定義
図1. アンテナ定義
アンテナ形状
図2. アンテナ形状
最初の計算
図3. 最初の計算
決定値
図4. 決定値
図5. インピーダンスグラフ

今回作ったのは、144MHz帯の垂直ダイポールアンテナです。
周波数 f を 145.00MHz としたとき、波長 λ は、

λ = 3 x 108 / (145.00 x 106) = 2.069 [m]

短縮率を 0.97 とすると、λ/2 ダイポールアンテナの片方のワイヤ (エレメント) の長さは 0.502m です。

まず、アンテナ定義 (図1) で周波数を 145.000MHz とします。次に、ワイヤの座標を入力します。垂直ダイポールですから給電点を原点として、Z軸を上へ 0.5m、下へ 0.5mの 2つのワイヤを配置します。給電点はワイヤ1 の終点、w1e とします。あとはデフォルトのままです。
アンテナ形状は、図2 のようになりました。○印が給電点です。

計算タブの計算ボタンをクリックすると、計算が実行されます (図3)。結果はインピーダンス ZL が 72.267+j3.865Ω となりました。少し誘導性になっていますので、ワイヤを短くしながら計算を繰り返します。

ワイヤの長さ 0.498m で ZL=71.347-j0.432Ω となったので、これを決定値としました (図4)。Z0=50Ω の同軸ケーブルを接続したときの反射係数 Γ は

Γ = (ZL - Z0) / (ZL + Z0)
   = {(71.347-j0.432) - 50} / {(71.347-j0.432) + 50}
   = 0.176-j0.00293

となります。複素数の計算? Mr.Smith の Maker R+jX にインピーダンスを入力し、Maker Type を Reflection coefficient (Re+jIm) にすれば、簡単に反射係数に変換できますよ。

周波数特性ボタン、詳細ボタンをクリックすると、特性グラフを表示することができます。図5 はレジスタンスとリアクタンスのグラフで、共振周波数が 145.058MHz になっています。その他、SWR、指向性パターンなどが確認できます。

ということで、垂直ダイポールアンテナの設計ができました。
現在できているアンテナも、ほぼこんな感じですね。

ダイポールアンテナの調整

では、NanoVNA を使ってダイポールアンテナを調整しましょう。

NanoVNA は、測定周波数範囲を STIMULUS/CENTER/145M、STIMULUS/SPAN/10M とし、CH0 をキャリブレーションします。トレースは、DISPLAY/TRACE/TRACE 0 を DISPLAY/FORMAT/PHASE、DISPLAY/TRACE/TRACE 1 を DISPLAY/FORMAT/SMITH、MARKER/SMITH VALUE/R+jX としました。

ダイポールアンテナ直下に NanoVNA をつなぎ、共振周波数を確認します。このとき、NanoVNA を手に持っていると測定値が変化してしまいます。アンテナから放射される電波が影響するみたいですね。何かに固定し、手を離して、測定値が安定したら遠巻きにトレースを確認せざるを得ません。
でも、なんだか不法な電波を出しているみたいな感じ。手早くやっちゃいましょ。

測定値を確認しながら、エレメントを少しずつ切っていきますが、共振周波数が予想以上に低かったので、エレメントをかなり切ることになりました。

図6. ダイポールアンテナの調整

図6 のように、スミスチャートの等リアクタンス円 (X=0) に交差し、位相が切り替わる直列共振点付近までもってきます。
このときのエレメント長は 0.92m、短縮率で 0.89 となりました。一般には数%といわれるのに、なぜこんなに短くなるんでしょうか? 周囲の影響? よくわかりません。

インピーダンス ZL=46.2-j1.19Ω、反射係数 Γ=-0.0393-j0.0129 です。もうね、インピーダンスもマッチングしちゃってます。これでいいんですか? NanoVNA 君を信じていいんですか?

後記

今回は、NanoVNA でダイポールアンテナを調整してみました。また、MMANA を使って、ダイポールアンテナの設計も試してみました。

ハンディ機 IC-2N のフレキシブルアンテナではほとんど何も聞こえなかったのですが、ダイポールアンテナを作ってからはローカル局が M5 で聞こえていました。
さらに今回アンテナを調整したけれど、Sメータもないし、どれほど良くなったかなんてまったくわかりません。でもまぁまがりなりにも、測定器を使ってきちんと調整した、というのは気分がよいです。
またしばらくワッチを続けてみましょう。

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