リンク機構にはいろいろあります。ありすぎてキリがない (;´Д`)
いろいろあるなかで、直線運動機構 (Straight line mechanism) をいくつか試してみました。
直線運動機構とは、回転運動や揺動運動を直線運動に変換する機構です。これもいろいろありますが、擬似的な直線運動になるものと、完全な直線運動を作れるものがあるようです。
これらが直線運動する証明は、難しいので、しません。ググると概念がわかるものもありますし、あまり説明の見つからないものもあります。運動学とか逆運動学とか、興味のある方は考えてみてくださいな。
Watt’s linkage
Watt’s linkage は、3 つの可動リンクでできています。中央リンクの中心が、ほぼ直線上を移動するようになっています。
が、動きをみていてもよくわかりません (;´Д`)
ペンでも取り付けて、軌跡を描いてみればわかるかも。
完全な直線運動ではなく、「ワットの曲線」とか「ベルヌーイのレムニスケート」とか「8 の字型曲線」とかになるらしいです。
駆動リンクと中央リンクが直線になったときなど、思案点になる位置がありますので、駆動範囲に注意する必要があります。
Roberts linkage
Roberts linkage も疑似直線運動を作ります。中央の三角形の下端が、固定リンク上を左右に動く感じですね。
左右のリンクと、三角形の 2 つの長辺とは同じ長さです。三角形の短辺は、固定リンクの長さの半分です。
固定リンクの長さの範囲で直線になるようですが、左右に逸れると大きくカーブしてしまいます。
サーボモータの小さな動きが増幅されるような感じで動きます。制御がちょっとシビアです。
Peaucellier–Lipkin linkage
Peaucellier–Lipkin linkage は、初めて発明された直線運動を作り出す平面機構だそうです。
上側の四角形のリンクは、すべて同じ長さで、ひし形になっています。
中央のサーボモータの位置が固定点、その下にも固定点があり、固定リンクの長さと駆動リンクの長さは同じです。したがって、駆動リンクは、実際には回転できませんが、下側の固定点を通過する円を描きます。
両サイドの 2 つの長いリンクも、同じ長さです。
ひし形の頂点のジョイント部分が、まっすぐ左右に動いていることがうかがえます。
サーボモータの固定点にある白い紙の板は、両側の長いリンクが上を乗り越えるためのガイドです。立体的な位置関係をきちんと考えないと、リンクがぶつかってしまうのですよ (;´Д`)
Sarrus linkage
Sarrus linkage は、6 面の平面リンクで構成された立体リンク機構です。Peaucellier–Lipkin linkage よりも前に発明されているそうです。
当初、サーボモータでパネルを起こしてやれば立ち上がるだろうと、簡単に考えていました。ところがどっこい、実際に組み立ててみると、そうは問屋が卸してくれない。下にたたまれた状態では上部のパネルが死点に入ってしまっていて立ち上がらないんです。
そこで、まず上側の側面パネルを持ち上げて死点から脱出し、次に下側の側面パネルを起こす、というふうに、2 段階に立ち上げることにしました。上げ下げの途中で一服するようにみえますが、そこが動作の切り替わり地点です。
完全に立ち上げてしまうと、今度は側面の上下のパネルが死点に入ってしまって、たためなくなってしまいます。
スキッと垂直に立ち上がるときれいなんですけどねぇ。しかたがないので、側面パネルが垂直になる手前で止めています。もう少し工夫すれば、この死点からも抜け出せるようにできそうですが、機構が細かいし、継ぎ足しになってどうもうまくないので、今回はやめました。もし次の機会があれば、そこらへんを工夫したいものです。
製作後記
今回の一連は、電子工作というよりも、ちいさな木工作になりました。メカトロニクスなんて、死語でしょうか? 俺達の時代では新しい技術だったような気がします (^_^;) こういうのの応用が、最近ではロボットってことになるんでしょうね。
L チカは光らせることが楽しいです。リンケージは動かすことが楽しいです。難しい理論や計算はさておいて、楽しくて、できれば何か少しばかり役に立つものが作れたら、もっと楽しくなりそうです。