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デジタル時計をつくる (7) / 32.768KHz 発振回路

ロジック IC を使って、デジタル時計をつくっています。前回までに、時計としての機能がほぼできあがってきました。

形はできましたが、基準クロックがてきとーなので、時差が大きい状態です。基準クロックの発振回路をつくりましょう。

14 段 非同期バイナリカウンタ 74HC4060

基準クロックは、ごく普通に、時計用の水晶振動子を使った回路でいきます。発振周波数は 32.768KHz。いっけん中途半端な値ですが、215=32768 で、0b1000000000000000、16bit、2 進数ではキリがよい。なので、分周回路を 15 段とおすと、1Hz になる。とゆー値。

分周には 74HC4060 を使います。分周回路が 14段 はいっています。ん? 1 段足りないじゃん。どーしてでしょ?

図 1 74HC4060 logic diagram

74HC4060 の内部回路は、図 1 のようになっています。

14 段の T フリップフロップによる分周回路ですが、ピン出力されているのは 16~1024 分周と 4096~16384 分周です。8 分周以下や 2048 分周ってのは、あまり利用されないのでしょうか。

いろいろ疑問はありますが、時計の基準クロック発振としてよく使われている (いた?) IC のようです。

図 2 74HC4060によるRC発振回路

74HC4060 には、発振回路が内蔵されています。図 2 に、その部分を抜き出しました。インバータが正理論だとかは、まぁ動きに影響ないのでご容赦を。

みてわかるように、これまで仮に使っていた、インバータを使った矩形波発振回路と同じです。左側が NAND ゲートになっていますが、片方の入力に CLR から HIGH がはいれば、インバータと同じ動きをします。

R1 と C1 の時定数で、発振周波数が決まります。R2 は IC の保護用、C2 は異常発振抑止用です。

図 3 74HC4060によるRC発振波形

この定数で約 38KHz になりました。
出力波形は図 3。きれいな矩形波ですが、うーん、なんてゆーか、インバータのゲインがありすぎなような気が。74HC04 を使ったときのように、C2 が必要になります。

水晶発振回路 (74HC4060)

図 4 74HC4060による水晶発振回路

74HC4060 を使って、32.768KHz 水晶振動子の発振回路をつくりました。

各定数は、グーグル先生に教わった一般的な値を参考に、カットアンドトライで決めたものです。異常発振したり、オーバートーン発振したり、かなり不安定だったんですが、このあたりで落ちつきました。
ただ、電源投入時にオーバートーン発振します。が、すぐに基本波に戻り、安定します。

ブレッドボードに組んでいるので、しかたがないのかなぁとも思います。でもまぁ、いまのところ確実に発振開始しています。パーツを指で触れて発振が不安定になっても、手を離せば安定します。ドライヤーをあててみたりもしてみましたが、安定してます。
まぁ、いいんじゃないでしょうか。

図 5 74HC4060による水晶発振波形

図 5 は、CLKO ピンで測定した発振波形です。

拡大した波形は記録してないのですが、うーん、まぁ微妙といえばビミョー。やっぱりゲインが大きすぎるんじゃないかなぁ。

そうだ、74HCU04 で比較してみよう。

水晶発振回路 (74HCU04)

図 6 74HCU04による水晶発振回路

74HCU04 はインバータですが、アンバッファといわれる、どっちかというとアナログ的な動きをする IC、なんだとか。なので、こうした発振回路に適している、そうです。

その 74HCU04 を使った水晶発振回路が、図 6 です。出力は、回路への影響を避けるため、別の回路をとおして確認します。

定数は、カットアンドトライで、もっとも調子がよさそうなところを選びました。が、よっぽど外さない限り、安定して発振します。オーバートーン発振になることも、異常発振することも、ほとんどありません。
一般的に適切といわれる範囲の定数に、なっていると思います。

図 7 74HCU04による水晶発振波形

図 7 が発振波形です。ひと目で、やんわりした波形だとわかりますよね。波形を拡大してみても、異常発振しそうな振動など、まったくみえません。
電源投入時も、ちょっと一息おきますが、きれいに基本波で立ち上がります。

こうして比較してみると、やっぱり 74HC4060 のほうは、バッファ段数が多いのか、インバータでいうと 74HC04 で発振させるような感じですね。

ということで、もし 74HC4060 でうまくいかないときは、発振は 74HCU04 で行ない、74HC4060 で分周する、って構成がよさそうです。

後記

さてと、水晶発振回路の実験に時間がかかってしまいました。でもまぁ、74HC4060 でなんとか発振できそうなので、予定通りこの IC を使いましょう。
次回は、分周回路を組んで、デジタル時計に基準クロックを注入しましょう。

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